2017年1月10日火曜日

<中小企業等経営強化法について>


中小企業庁は、20167月より、中小企業等経営強化法をスタートさせています。

これは、経営力向上計画を作成すれば、税制や金融の支援を受けることが出来るようになるという中小企業を支援するための法律です。

経営力向上計画とは、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画のことを言います。

支援の具体例として、税制面では、生産性を高めるための機械装置を取得した場合には3年間、固定資産税を2分の1に軽減されます。

金融面では、計画に基づく事業に必要な資金繰りが支援されます。

例えば、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けた事業者が行う設備投資資金の借入れを行うと、基準利率から0.9%引き下げられます。

平成281019日現在の日本政策金融公庫の中小企業事業の基準利率は1.21%ですから、これから0.9%を引くと、0.31%となるので、大幅に金利が優遇されることになります。

2017年1月6日金曜日

<不服申立制度とは>


前回触れた不服申立制度についてもう少し説明を加えておきます。
税務署等がした処分に不服がある場合には、その処分の取消しや変更を求めて国税不服審判所長に対して不服を申し立てることが出来ます。
国税不服審判所は、税務署や国税局が行う処分についての審査請求に対する裁決を行う機関です。
国税不服審判所は、霞が関にある本部以外に、札幌、名古屋、大阪、福岡等にある12支部と、新潟、横浜、京都等にある7支所があります。
調査・審理は、原則として上記のそれぞれの支部・支所で行っております。
不服申立制度は、平成26年に改正され、平成2841日以降にされた処分については、新しい制度が適用されております。
大きな改正点としては以下の3点があります。
・税務署長が行った処分に不服がある場合には、納税者の選択により、税務署長に対する「異議申立て」を行わずに、直接、国税不服審判所長に対する「審査請求」を行うことができるようになりました。
・「異議申立て」については、その名称が「再調査の請求」に変わりました。
・不服申立て出来る期間が原則として、2ヶ月以内から3ヶ月以内に延長されました。
では、実際にどれくらいの件数の審査請求があったかを見てみます。
平成25年度 2,855
平成26年度 2,030
平成27年度 2,098
そのうち請求が認容された割合は、以下の通りです。
平成25年度 7.7
平成26年度 8.0
平成27年度 8.0
上記のように、訴訟の原告勝訴割合同様、非常に低い認容割合となっております。
しかし、訴訟と大きく違う点としては、処理の迅速化を目標としており、実際に1年以内に処理された割合は、以下の通りです。
平成25年度 96.2
平成26年度 92.2
平成27年度 92.4
他の年度においても90%以上が1年の以内に処理が行われております。
また、審査請求にあたって、国税不服審判所に対して支払う費用はありません。
ですから、名称からして難しそうで、馴染みがあまりない制度ではありますが、訴訟に比べると比較的に敷居が高くない制度と言えます。