2016年8月25日木曜日

<延滞税の税率と計算方法は?>


税金を納期限までに納付しないと延滞税がかかる、ということを知っている方は多いと思います。では、具体的に延滞税の税率はいくらなのでしょうか?
細かい部分は置いておけば、平成2711日から平成281231日までの延滞税の税率は以下の通りです。

・納期限の翌日から2月を経過する日までの期間 ⇒ 年2.8
具体的には、納付税額×2.8%×日数÷365日 = 延滞税

・納期限の翌日から2月を経過した日以後の期間 ⇒ 年9.1
具体的には、納付税額×9.1%×日数÷365日 = 延滞税

なお、本税が10,000円未満の場合には延滞税はかかりません。
また、上記の計算結果が1,000円未満になる場合にも延滞税はかかりません。
延滞税は本税だけを対象として課されるものであり、加算税などに対しては課されません。ですから、法人税などの本税と加算税の両方を納付しなければならない時は本税の納付を優先して下さい。

2016年8月16日火曜日

<平成28年度の申告で、いつの欠損金が控除出来るの?>

平成23年度の税制改正により、青色申告書を提出した中小法人等の欠損金の繰越控除はそれまでの7年から9年に延長されました。

 中小法人等とは、普通法人のうち、資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本金の額又は出資を有しないもの、公益法人等、共同組合等、人格のない社団等をいいます。

この改正が行われ既に5年が経ちますが、平成28年度の申告の際に重要なのは、いつの欠損金が7年間の控除で、いつの欠損金が9年間の控除なのかということです。

 9年間の繰越控除は、平成2041日以後に終了した事業年度において生じた欠損金から適用されます。

例えば、平成283月決算の申告をする時は、平成203月決算の欠損金が控除期間は7年ですので、平成283月決算の申告で控除することが出来ません。

一方、平成213月決算の欠損金の控除期間は9年ですので、平成283月決算の申告で控除することが出来ます。

次に、平成286月決算の申告をする時は、平成196月決算の欠損金の控除期間が7年ですので、平成286月決算の申告で控除することが出来ません。

一方、平成206月決算の欠損金の控除期間は9年ですので、平成286月決算の申告で控除することが出来ます。

この平成28年度の申告書を作る際には、ちょうどこの7年なのか9年なのかが税額計算に大きな影響を及ぼすタイミングですので注意が必要です。

2016年8月10日水曜日

<事業承継の押さえておくポイント>

事業承継は会社を経営されている方にとって重要なテーマでもあります。

平成2711日以後の相続について相続税の基礎控除額が以下のように改正されました。

これまで
5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人の数

平成27年以降
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

仮に、相続人の数が3人だとすると、これまでの基礎控除額は8,000万円だったのが、4,800万円にまで縮小されたことになります。

これに応じて、相続税を納付する人が大幅に増えたことになります。
会社の経営者の中でも、これまでは自社株を評価し、これに他の財産を加えたとしても、基礎控除額以下で、相続税を払う必要がなかったのに、改正後には相続税を払う義務が生じてしまうという方もいるはずです。
ですから、現状を把握するためにも自社株を評価するにはどうしたらいいのかという点は、経営者には是非知っておいて頂きたいと思います。
株式の評価方法には、原則的評価方式と例外的評価方法があります。
原則的評価方法は、3つあります。

一つは、純資産価額方式
二つは、類似業種比準価額方式
三つめは、純資産価額方式と類似業種比準価額方式の折衷方式
です。

細かな計算方法は、今回は割愛しますが、簡単に説明すると、
純資産価額方式は、貸借対照表の資産から負債を控除した純資産価額を基礎にして、株価を評価する方法です。
類似業種比準価額方式は、配当、利益、純資産の3要素を基に株価を評価する方法です。この3要素のうち利益の比重は高く配分されております。
折衷方式は、純資産価額と類似業種比準価額を折衷する方法です。特定会社を除く法人は、株価を計算する際に会社の規模によって、純資産価額と類似業種比準価額の比率が変わってきます。
例外的評価方式は、配当還元方式です。
配当還元方式は、直前2期の年間配当額を基礎にして計算します。
実際に、直近の決算書等の数字を参照しながら、自社の株式をこれらの方法で計算してみると、現時点での株価が分かります。
その結果、価額がそれほど高くないのであれば心配する必要はないかも知れませんし、価額が相当に高いようであれば何らかしらの対策をたてる必要があります。

株価対策には、退職金を活用する方法、資産管理会社を活用する方法等様々あります。また、平成25年度の税制改正で事業承継税制が拡充されているのでこの制度も上手く活用したいところです。


ですから、ご自身の会社の資産、損益だけでなく、会社の規模等多くの要素を複合的に考えながら株価対策をとる必要があります。また、株価対策は短期間でなく、一定の期間をかけながら進めていくことが重要です。

2016年8月8日月曜日

<まだ間に合う!生産性向上設備投資促進税制で節税> 


青色申告をしている法人・個人事業主の方であれば、生産性向上設備投資促進税制の適用を受けることが出来ます。

生産性向上設備は、2種類に分けられます。

一つは、A類型と呼ばれるもので、最新のモデルであることや生産性が年平均1%以上向上していること等が要件となります。

このA類型は、設備メーカーから証明書を受け取るだけで適用が受けれますので、手続は非常に簡単です。

もう一つは、B類型と呼ばれるもので、投資利益率が15%(中小企業者等は5%)以上であること等が要件となります。

このB類型は、投資計画を作成し、税理士等の事前確認を受けた上で、経済産業局への申請が必要となります。

A類型もB類型も、機械装置であれば160万円以上、工具器具備品であれば120万円以上、ソフトウェアであれば70万円以上など一定額以上であることも要件になります。

この特例は、平成26120日から平成283月末日までは、即時償却または税額控除5%でしたが、平成2841日から平成293月末日までは、特別償却50%または税額控除4%に変更されております。

現段階では平成294月以降は、この特例自体がなくなる予定ですので、設備投資を考えている方は是非ご検討下さい。

2016年8月1日月曜日

<一般社団法人と株式会社の違いは?>


平成20年の改正以来、一般社団法人でも株式会社と同様の業務が行えるようになりました。では、一般社団法人と株式会社はどう違うの?という疑問が生じるかも知れません。
一般社団法人と株式会社の知っておくべき違いは4つだけです。

           資本金があるか、ないか   
一般社団法人: 資本金という概念がありません。人の集合体として法人格が与えられていることになります。
株式会社: 資本金があります。例え1円だったとしても、株主はその資本金の比率に応じた権利を有することになります。

            剰余金の分配が出来るか、出来ないか
一般社団法人: 利益が出たとしても、その利益を社員に分配することは出来ません。
株式会社: 利益が出た場合には、その利益を配当として株主に分配することが出来ます。

            設立者の人数の違い
一般社団法人: 社員2人以上で設立が出来ます。ただし、設立後は社員を1人にすることも出来ます。
株式会社: 株主1人以上で設立が出来ます。

            設立時の登録免許税の違い
一般社団法人: 60,000
株式会社: 150,000

他にも違いはたくさんありますが、まずは知っておきたい違いはこの4つとなります。