2016年12月26日月曜日

<税務調査の後に修正申告書を提出しなかったら、どうなるの?>


税務調査があると、申告是認といって何一つ問題がない場合にはそれで全て終了です。
しかし、税務調査があった際の申告是認はかなり少ない割合になっており、多くの場合は修正申告書を提出することになります。
では、修正申告書を提出しなかったら、どうなるのでしょうか?
国税通則法の第24条には、次のように書かれております。
「税務署長は、納税申告書の提出があった場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する」
つまり、修正申告書を提出しない場合には、税務署側から更正処分をすることになります。
更正処分と聞くと、何か怖いようなイメージを持つかも知れません。
しかし、指摘事項に従って修正申告書を提出する方が怖い可能性もあります。
なぜなら、一度修正申告書を提出するとそれによって税額が確定してしまい、その後やっぱり指摘事項はおかしいなとなった時に税務署と争うことは出来なくなるからです。
一方、税務署側から更正処分をされた場合には、その更正処分について不服申立をすることが出来ますし、さらに納得がいかない場合には裁判で争うことも出来ます。
注意してほしいのは、税務調査があったら、修正申告書を提出しないで、必ず更正処分を受けるべきだというわけではなく、仮に更正処分をされたとしても、不服申立制度があることを知っていれば、税務署と落ち着いて交渉をすることが出来るということです。
調査官の立場で考えると、早く調査を終わらせたいという思いが強いので、修正申告を進めてきます。
なぜなら、更正処分は税務署が一方的に決めることになるので、後々納税者とトラブルや裁判になったりする可能性があるからです。
だから、修正申告書を提出して下さいと言われて、すぐに修正申告書を提出するのではなく、納得がいかない部分については、しっかりと税法に従って主張し、納得できなければ更正処分でも構いませんという立場を明確にすることで初めて税務署と対等に交渉することが出来ると言えます。

2016年12月21日水曜日

<代償分割をした場合の注意点> 


代償分割とは、相続人の1人又は数人が不動産等の相続財産を取得し、その取得した相続人が他の相続人に対して現金等を払うことを言います。
例えば、父が死亡し、相続税評価額が3,000万円の土地を妻が取得し、妻から長男と次男に500万円ずつその代償として現金を支払ったとします。
この場合、土地を取得した妻の課税価格は、
3,000万円 - (500万円 + 500万円) = 2,000万円
現金を取得した長男と次男の課税価格はそれぞれ
500万円
となります。
ただし、代償分割をする場合には、遺産分割協議書にその旨の記載がない場合には、贈与として認定され、贈与税が課税されてしまう可能性があるので注意が必要です。
なお、遺産分割には、代償分割の他に現物分割、換価分割等があります。
現物分割は、それぞれの資産を相続人が個別に相続する方法をいいます。例えば、自宅及びその土地は妻が相続、賃貸駐車場は長男が相続、預貯金は次男が相続するような分割を言います。一つの土地を分割する場合も現物分割に当たります。
換価分割は、不動産等の資産を売却し、現金化したうえで、その現金を分割して相続人が相続する方法を言います。

2016年12月13日火曜日

<議決権割合によって株主の権利はどうなるの?>


会社をつくる際には、名称、本店所在地、決算月等、たくさん決めることがあります。
その際に、特に気をつけて頂きたいのが、資本金の出資割合です。
資本金の額をいくらにするというより、誰がいくら資本金を負担するか、議決権割合をどうするかということが非常に重要です。
議決権割合は過半数ないとダメだとか、3分の2超ないとダメだとかと聞いたことはあるかも知れません。
しかし、議決権割合がどれだけあれば、どのような権利があるのかまで知っている人は少ないように思われます。
そこで、具体的に議決権をどれだけ持っていれば、どのような権利があるのかを見ていきたいと思います。

3分の2以上 → 合併・会社分割、事業譲渡、定款の変更、監査役の解任等の特別決議
50%超 → 取締役の選任・解任、監査役の選任、取締役・監査役の報酬、計算書類の承認等の普通決議
3分の1超 → 特別決議の阻止(拒否権)
10%以上 → 解散請求権
3%以上 → 株主総会の招集請求権、帳簿閲覧権
1%以上 → 株主提案権

例えば、上記のようなことを知らず、会社をつくる際に仲の良い友人に資本金の50%を出資してもらったとします。
その後、時間が経過し、何らかの事情でその友人との人間関係がこじれることもあります。
そうなると、自分自身の役員報酬を変更しようとしたとしても、取締役の報酬の決議には50%超の議決権が必要ですので、自分で自分の役員報酬を決めることが出来なくなります。
同様に、その友人を取締役から外そうとしても、取締役の解任にも50%超の議決権が必要ですので、自分の意思だけで友人を取締役から外すことも出来なくなります。
ですから、会社を設立する時にこそ議決権割合と、その権利をしっかりと理解して資本金の負担割合を決める必要があります。

2016年12月5日月曜日

<消費者向け電気通信利用役務の提供>

前回は、事業者向け電気通信利用役務の提供について見ましたが、今回は事業者向けでなく、消費者向けのものについて見てみます。
消費者向け電気通信利用役務の提供については、
「国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち事業者向け電気通信利用役務の提供以外のものについて、国外事業者に申告納税方式を課す方式」
と国税庁のHPでは説明されております。
前回同様、「電気通信利用役務」を仮に「ITサービス」と読み替え、具体例を挙げて考えてみます。
amazonに出店したB社があります。
これを、冒頭の文章に当てはめて読み直すと、
amazonが行う消費者向けITサービスの提供については、amazonが申告納税を行う」
と言うことになります。
また、国税庁のHPでは、以下のような説明もあります。
「国内事業者が国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を行けた場合、当分の間、当該役務の提供に係る仕入税額控除を制限する」
これについても、分かりやすく読み直すと、
B社がamazonから消費者向けITサービスの提供を受けた場合、当分の間、そのITサービスの提供については仕入税額控除が制限される」と言うことになります。
つまり、B社は消費税を払っているのに仕入税額控除を受けることが出来ないということになってしまいます。
ただし、ITサービスの提供を行った国外事業者が、国税庁長官の登録を受けた「登録国外事業者」である場合は、仕入税額控除を行うことが出来ます。
この登録国外事業者にはどのような事業者があるかは、国税庁より「登録国外事業者名簿」が公表されています。
ですから、この名簿を参照すれば、取引をしている会社が登録国外事業者に該当するかどうかが分かります。
直近では、平成28721日現在のものが公表されています。
具体的な企業名を挙げると、
amazonGoogle、ドロップボックス、アドビシステムズ等、馴染みのある企業名が列挙されております。
つまり、これらの企業からの消費者向けのITサービスの提供であれば、仕入税額控除を受けることが出来るということになります。

2016年11月24日木曜日

<リバースチャージ方式>


リバースチャージ方式とは、「国外事業者が行う事業者向け電気通信利用役務の提供について、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務を課す方式」
と国税庁のHPでは説明されておりますが、非常に難解な表現のように感じます。
そこで、理解しやすくするために、「電気通信利用役務」を仮に「ITサービス」と読み替え、具体例を挙げて考えてみます。

GoogleWeb広告を出したA社があります。
これを、冒頭の文章に当てはめて読み直すと、
Googleが行う事業者向けITサービスの提供については、そのサービスの提供を受けたA社が申告納税を行う」 と言うことになります。
このリバースチャージ方式では、A社の受けたサービスについては、特定課税仕入れとして仕入税額控除を計上すると同時にその額を課税標準額に計上します。
つまり、課税売上と課税仕入が同時にたつようなイメージです。

申告書を作成する際には、課税標準額は、申告書別表の③「特定課税仕入れに係る支払対価の額」仕入税額控除は、付表2の⑩「特定課税仕入れに係る支払対価の額」
にそれぞれ記載して下さい。
ただし、このリバースチャージ方式は、経過措置により、当分の間は、その課税期間について一般課税により申告する事業者で、課税売上割合が95%未満の事業者にのみ適用されます。つまり、課税売上割合が95%以上の事業者や簡易課税適用事業者については、そのITサービスの提供に係る特定課税仕入れはなかったものとされます。

2016年11月14日月曜日

<電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し>

平成27101日から、電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準について消費税法が改正されています。国税庁のHPの内容を引用すると、

「電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準(内外判定基準)が、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から「役務の提供を受ける者の住所等」に改正されました。」「電気通信利用役務の提供」に該当する具体例としては、以下のようなものがあります。
インターネット等を通じて行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウエアの配信
顧客に、クラウド上のソフトウエアやデータベースを利用させるサービス
顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス
インターネット等を通じた広告の配信・掲載
インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス
インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス
インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト
インターネットを介して行う英会話教室

言葉が少し難しいので、より具体的な例を挙げると、
電子書籍 → キンドル
音楽 → アイチューンズ
公告 → グーグル
ショッピングサイト → アマゾン  などです。
これまでは、これらのサービスを提供する者の事務所等の所在地で消費税の内外判定を行っていました。
ですから、サービスを提供する者の事務所等の所在地が海外であれば、消費税は課税対象外でした。
平成27101日以後は、これが180度転換され、サービスの提供を受ける者の住所等の所在地で消費税の内外判定を行うことになります。
ですから、サービスの提供を受ける者の住所等の所在地が国内であれば、消費税は課税対象になります。

2016年11月8日火曜日

<土地を市に寄附したら税金はどうなるの?>


評価額が8千万円の土地があるとします。
この土地の所有者が死亡した場合には、その土地の評価額に対して、相続税が課税されます。
細かい計算を除いて、相続税の税率を仮に50%とすると、8千万円 × 50% = 4千万円の相続税が課税されることになります。
土地のみを相続した場合の大きな問題点としては、現金がないのに多額の相続税を納付しなければならない点などがあります。
では、そのような事態も想定して生前にこの土地を市に寄附した場合の所得税の課税関係はどうなるでしょうか?
個人が法人等に資産を贈与した場合には、その贈与した時の時価で資産の譲渡があったものとして譲渡所得が課税されます。
しかし、国又は地方公共団体に対する贈与は非課税となります。
具体的に、時価8千万円の土地(取得費不明、測量費用100万円)を市に寄附するとします。その際の所得税の譲渡所得の計算は、以下のようになります。
8千万円 - (8千万円 × 5% + 100万円) = 7,500万円
しかし、国又は地方公共団体に対する贈与は非課税となるため、この7,500万円が非課税となります。同時に、寄附し土地の取得費等に相当する金額は特定寄付金になります。
その際の特定寄付金の額の計算は、以下のようになります。
8千万円 × 5% + 100万円 = 500万円
この特定寄附金の額500万円から2千円を控除した4998千円が寄附金控除として確定申告の際に控除することが出来ます。
土地は所有していると固定資産税がかかり続けるので、場合によっては国や地方公共団体に寄附をするというのも一つの手かも知れません。

2016年10月27日木曜日

中央財務 無料セミナー 〜ものづくり補助金申請に向けて〜

この度幣社主催の無料セミナーを下記のとおり開催いたしますので、ご案内申し上げます。
 今回は、11月に公募が開始すると噂になっているものづくり補助金について、申請に必要な準備や採択のためのポイント等を解説させていただきます。

 ご多忙中とは存じますが、お繰り合わせの上、ぜひともご参加下さいますようお願い申し上げ
ます。



セミナー内容

・ものづくり補助金とはどんなものか?
・採択のためのポイントとは       などを予定しております。

開催日時 : 2016年11月18日(金) 16:001730
場所 : 〒541-0051 大阪市中央区備後町2-5-8 綿業会館本館6
(本町駅1番出口、堺筋本町駅17番出口からそれぞれ徒歩5分)

講師 :加藤 愼祐(中小企業診断士)
定員 : 20人程度
費用 : 無料

参加をご希望の方は メールを送信(info@chuouzaimu.com
          ②電話(06-6231-1121)        
にてお申込下さいませ。

お申込みに関しましては 11/16(水)を締め切りとさせていただきます

2016年10月24日月曜日

<負担付贈与をする場合の注意点>


資産を贈与する場合に、ただ単に資産を贈与するだけでなく、銀行借入のような負担とセットで資産を贈与する場合があります。
これを負担付贈与と言います。
負担付贈与をした場合には、以下の算式により計算した課税価格が贈与税の対象となります。
贈与財産の価額 – 負担額 = 課税価格
上記の贈与財産の価額には、少し注意が必要です。次のように贈与財産の種類によって評価額が変わるからです。
贈与財産が土地や建物・構築物等であるとき → 贈与時における通常の取引価額(時価)
贈与財産が土地や建物・構築物等以外の資産であるとき → その財産の相続税評価額
例えば、時価1億円(相続税評価額8千万円)の土地と3千万円の借入金をセットで贈与した場合の課税価格の計算式は、以下の通りです。
1億円 – 3千万円 = 7千万円
一方、時価1億円(相続税評価額8千万円)の土地や建物・構築物等以外の資産と3千万円の借入金をセットで贈与した場合の課税価格の計算式は、以下の通りです。
8千万円 – 3千万円 = 5千万円
通常の取引価額(時価)と相続税評価額では金額に大きな違いがある場合がありますので、負担とセットで贈与する資産が何であるかに注意して贈与税の計算をする必要があります。


2016年10月17日月曜日

<不動産の売買にかかる税金には何があるか> 


土地や建物を譲渡したり、取得したりすると様々な税金が課税されます。
譲渡した側には、譲渡所得として所得税と住民税がかかります。
譲渡所得は、他の所得と分離して計算され、所有期間が短期か長期かによって税率が変わります。
所有期間が5年を超える長期一般分のものについては、所得税15%と住民税5%の合計20%かかります。
仮に、土地の取得価額が30,000,000円で、譲渡価額が100,000,000円だとすると、
100,000,000円 – 30,000,000円) × 20% = 14,000,000
譲渡側では、確定申告の際に14,000,000円を払うことを念頭にいれておいて下さい。
なお、国民健康保険を支払っている人は、土地を譲渡して益が出ている場合には、国民健康保険料が上昇するので注意が必要です。
一方、取得した側では、契約書の印紙以外に、登録免許税と不動産取得税がかかります。
登録免許税は、登記の内容によって税率が変わります。
相続による移転登記は、固定資産税価額の0.4
遺贈や贈与による移転登記は、固定資産税評価額の2
売買による移転登記は、固定資産税評価額の2%(ただし、平成29331日までに登記を受ける土地については1.5%)
不動産取得税の標準税率は4%です。
ただし、平成30331日までに取得した土地と住宅については、固定資産税評価額の3%になります。
なお、相続による所有権の移転については非課税となります。
仮に、売買による土地の取得価額が100,000,000円でその固定資産税評価額が80,000,000円とすると、これに対して登録免許税1.5%と不動産取得税3%の合計4.5%がかかるので、
80,000,000円 × 4.5% = 3,600,000
不動産を取得する場合には、このように登録免許税と不動産取得税がいくらかかるのかということを事前にしっかりと計算しておかないと後から大変なことになります。
なお、不動産取得税については、不動産を取得した日から20日以内に都道府県税事務所に不動産取得申告書を提出しなければなりません。
納付については、都道府県税事務所から課税標準、税額、納期限などが記載された納税通知書が送られてきますので、その納期限までに納付しなければなりません。

2016年10月12日水曜日

<事業所税って何?> 


税には多くの種類があります。法人では、法人税、消費税、事業税、法人道府県民税、法人市町村民税等を納付します。
では、事業所税とは何でしょうか?
名前は似ていますが、事業税とは別の税目です。
事業所税は、人口が30万人以上の都市等が、道路や公園等、都市環境の整備や改善のために、一定の規模で事業を行う法人又は個人に対して課税する税金です。
政令指定都市では、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市等があります。
また、政令指定都市以外でも、東大阪市、豊中市、吹田市、高槻市、枚方市、守口市等があります。
ちなみに、守口市は人口が30万人未満ですが、対象となっております。
事業所税には、事業所等の床面積を課税標準とする「資産割」と、事業所等の従業員給与総額を課税標準とする「従業者割」の2種類があります。
資産割は、市内の事業所等の床面積の合計が1,000㎡を超える場合に課税対象となり、1㎡につき600円が課せられます。
例えば、市内の事業所等の床面積の合計が3,000㎡であれば、
600円 × 3,000㎡ = 1,800,000
になります。
従業者割は、従業者数が100人を超える場合に課税対象となり、市内の従業者給与総額の0.25%が課せられます。
例えば、市内の従業者の一人の給与が4,000,000円で、従業者数が200人であれば、
4,000,000円 × 200人 × 0.25% = 2,000,000
になります。
つまり、上記の例ですと、合計で3,800,000円の事業所税が課税されることになります。

2016年10月3日月曜日

中央財務 無料セミナー ~必要な融資をベストなタイミングで~ -第2弾- 

この度幣社主催の無料セミナーを下記のとおり開催いたしますので、ご案内申し上げます。
 今回は、9月にも行いましたテーマが好評で、参加できなかった方より、再度開催の要望を多く受けましたので、9月と同じ「銀行融資を受けるためのポイント」についてです。

 前回参加された方から頂いた質問も踏まえてお話させていただきます。
 ご多忙中とは存じますが、お繰り合わせの上、ぜひともご参加下さいますようお願い申し上げ
ます。



セミナー内容

・融資を受けるために必要な準備
・融資を引き出せる決算書・引き出せない決算書     などを予定しております。

開催日時 : 2016年10月14日(金) 16:001730
場所 : 〒541-0051 大阪市中央区備後町2-5-8 綿業会館本館6
(本町駅1番出口、堺筋本町駅17番出口からそれぞれ徒歩5分)

講師 :上田 秀太郎
定員 : 10人程度
費用 : 無料

参加をご希望の方は メールを送信(info@chuouzaimu.com
          ②電話(06-6231-1121)        
にてお申込下さいませ。

お申込みに関しましては 10/12(水)を締め切りとさせていただきます

<普通養子と特別養子の違い>


養子には、普通養子と特別養子の2種類あるとお話ししました。
普通養子は、養子縁組をしたとしても、実親及び養親の両方と親子関係があることになります。
ですから、相続税上、普通養子は実親及び養親の両方の相続人になることが出来ます。
つまり、実親が死亡したときには実親の相続人になり、養親が死亡したときには養親の相続人になることが出来ます。
一方、特別養子は、養子縁組をすると、実親との親子関係は終了し、養親とだけの親子関係になります。
ですから、相続税上、特別養子は養親の相続人にのみなることが出来ます。
つまり、実親が死亡したときには実親の相続人にはならず、養親が死亡したときには養親の相続人になることが出来ます。普通養子縁組についての手続きの話は、既にしましたが比較的に条件も厳しくありません。一方の特別養子縁組についての手続きは、かなり厳しくなっています。原則として養子が6歳になるまでに養子縁組をしなければならないし、家庭裁判の審判が必要になります。
ただし、特別養子であれば、実親との親子関係は終了するものの、養親の嫡出子と同じ身分を有することになります。ですから、相続税の計算をする場合には、法定相続人の数に入れる制限はなくなります。

2016年9月29日木曜日

<養子縁組をするための手続き>


養子がいれば、一定の制限はあるものの、相続税の負担を減少させることが出来るというお話は既にしました。
では、養子縁組をする場合にはどのような手続きをとればいいのでしょうか?
養子には、普通養子と特別養子の2種類があります。
そのうち普通養子として養子縁組をする場合には、届出対象者の本籍地又は届出人の所在地の市役所に養子縁組届を提出します。
養子縁組届は、血縁関係のない者同士などが法律上親子関係になるための届出書です。
養子縁組届は、直接市役所で提出することも出来ますし、郵送によって提出することも出来ます。
また、提出は当事者だけでなく他の人が代理提出も出来ますが、届出書に当事者の双方が署名・押印する必要があります。

 必要書類は、上記の届出書だけですが、養子及び養親の本籍地以外の市町村に届出書を提出する場合には戸籍謄本が必要になります。
ただし、本籍地の市町村に届出書を提出する場合には戸籍謄本は必要ありません。
また、届出書を提出する際には、提出をする人の本人確認が必要ですので、運転免許証、マイナンバーカード等の本人確認書類が必要です。
なお、費用はかかりません。

2016年9月20日火曜日

<相続税における法定相続人の数>

相続税を計算するうえで、法定相続人の数は非常に重要です。
なぜなら、基礎控除額、生命保険金の非課税限度額、死亡退職金の非課税限度額等に影響を及ぼすからです。
それぞれの計算式を以下に列挙してみます。
・基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
・生命保険金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
・死亡退職金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

また、相続税の総額を計算する場合においても、法定相続人の数が多いほど有利な税率を適用することが出来ます。 
法定相続人の数には、養子も含まれます。
ただし、養子を何人でも法定相続人の数に入れることが出来るようにすると、不当に相続税を減らすことになるので、法定相続人の数に含める養子の数には、以下のような制限があります。
・被相続人に実子がいる場合 → 1人まで
・被相続人に実子がいない場合 → 2人まで

なお、被相続人との特別養子縁組により被相続人の養子になっている場合、被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子になっている場合等は、実子として扱われるので、法定相続人の数に入れることが出来ます。

2016年9月14日水曜日

<必要な融資をベストなタイミングで~9月9日セミナーより~>


経営をされている方は誰しも資金の調達を何らかの形で行っていると思います。

中小零細企業・個人事業の方の多くの資金調達は、自己資金を用意するか、金融機関等から借入するかのどちらかだと思います。

まずはどのようなときにお金が必要になるのか、大きく分けて3つあると思います。

一つ目は運転資金、2つ目は設備投資、3つ目は事業の拡大などがあります。

借入の際に新規であれば、3期分の決算書、既に借入している場合は、決算毎に決算書を金融機関(国の金融機関は除く、以下金融機関)に提出しているかと思います。

金融機関がどの程度決算書を重要視しているか、すなわち決算書の内容によって、新規の借入または、追加の融資を実行してくれるかというと、ほぼ89割は決算書で決まるといっても過言ではありません。

金融機関は金融庁の指導のもと、金融検査マニュアル(1999年作成)に沿って審査を行っております。そのため、どこの金融機関でも審査基準は同じです。

銀行員が、経営方針や競争力、商品の魅力などを考慮して、有望かそうでないかを判断する能力は備えておりません。金融検査マニュアルでの評価方法で可否を決めるしかないのです。
それを踏まえれば、決算書をその評価に合わせて作っていくことが、借入をスムーズに進める唯一の方法になります。

よって、一定の利益を出していくことが基本にはなりますが、決算書の作成にあたっても抑えておかなければいけない点はたくさんあります。
金融機関は、最終の利益(税引き前利益)をそれほど重要視していませんので、経費の割り振りは重要になってきます。

3期分の決算書または、毎回の決算書の提出が必要になりますので、決算の際には税務署だけを意識した税務対策を行うのではなく、金融機関も意識した借入対策も行っておくことが必要になります。

2016年9月12日月曜日

<建物の取得価額と取得費の違い>

建物を売った場合の譲渡所得の金額の計算方法は以下のようになります。
譲渡所得の金額 = 譲渡対価 - (取得費 + 譲渡費用)
ここで少し難しいのは、建物の取得費は、買った時の価額ではないということです。
取得費を理解する上で、まず取得価額との違いを知って頂くことが重要です。
取得価額と取得費の違いは、言葉で説明すると難しく感じるかも知れないので、以下の計算式で把握して下さい。
建物の取得価額 = その資産の購入代価 + その資産を事業の用に供するために直接要した費用
建物の取得費 = 建物の取得価額 – 減価償却費相当額※
※減価償却費相当額は、その建物が事業の用に供されていた場合と事業の用に供されていなかった場合によって計算方法が違います。
・事業の用に供されていた場合
建物の取得の日から譲渡の日までの減価償却費の累計額
・事業の用に供されていなかった場合
建物の取得価額 × 90% × 旧定額法の耐用年数の1.5倍の償却率 × 経過年数取得価額と取得費の違いは、上記のように計算式にあてはめて考えていくと分かりやすくなると思います。

2016年9月5日月曜日

中央財務 無料セミナー ~必要な融資をベストなタイミングで〜

 この度幣社主催の無料セミナーを下記のとおり開催いたしますので、ご案内申し上げます。
 今回は、多くの経営者の方からよくお問い合わせをいただく銀行融資のポイントについてお話させて
いただきます。

 ご多忙中とは存じますが、お繰り合わせの上、ぜひともご参加下さいますようお願い申し上げ
ます。



セミナー内容

・融資を受けるために必要な準備
・融資を引き出せる決算書・引き出せない決算書     などを予定しております。

開催日時 : 201699日(金) 16:001730
場所 : 〒541-0051 大阪市中央区備後町2-5-8 綿業会館本館6
(本町駅1番出口、堺筋本町駅17番出口からそれぞれ徒歩5分)

講師 :上田 秀太郎
定員 : 10人程度
費用 : 無料

参加をご希望の方は メールを送信(info@chuouzaimu.com
          ②電話(06-6231-1121)        
にてお申込下さいませ。

お申込みに関しましては 9/7(水)を締め切りとさせていただきます

<建物の標準的な建築価格表を使って、取得価額を計算>


建物をかなり昔に購入してその取得価額が分からないということがあると思います。
そういう場合には、概算取得費の計算方法があります。
これは譲渡所得の収入金額に5%を乗じて計算します。
同様に、「建物の標準的な建築価額による建物の取得価額の計算表」を用いて計算する方法もあります。
具体的には、建物の建築年月日を登記事項証明書等で調べます。
次に、国土交通省の「建物の標準的な建築価額表」で、その建物の1㎡当たりの建築単価を調べます。そして、その建築単価に、その建物の床面積を掛けたものが、その建物の取得価額になります。分かりやすく算式で表すと、
建物の取得価額 = 建物の標準的な建築価額表による建築単価 × 床面積
ということになります。
例えば、昭和49年に建てた鉄筋コンクリート建物(延べ床面積100㎡)であれば、
「建物の標準的な建築価額表」より、1㎡当たりの建築単価が90,100円になりますので、
90,100円×100=9,010,000
これが、その建物の取得価額となります。
なお、建物の取得価額と取得費の違いについては、後述させて頂きます。

2016年9月1日木曜日

<地方税にも延滞税や加算税はあるの?>


法人税や所得税等の国税にかかる延滞税と加算税について以前書かせて頂きました。では、地方税についても国税と同様に延滞税や加算税は課税されるのでしょうか?地方税の場合は、税という言葉を使わず、延滞金や加算金という呼び方をします。まず、延滞金の率は、国税の延滞税の率と同じです。
平成2711日から平成281231日までの期間は、納期限の翌日から2月を経過する日までの期間が年2.8%、納期限の翌日から2月を経過した日以後の期間が年9.1%になります。次に、加算金には、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金があります。
これらの加算金がかかるのは、以下の税金に限ります。
 
個人住民税利子割
配当割
株式等譲渡所得割及び分離課税に係る所得割
法人事業税
たばこ税
ゴルフ場利用税
自動車取得税
軽油引取税
法定外普通税
鉱産税
特別土地保有税
入湯税
事業所税
水利地益税等
法定外目的税

あれ?と思う方もいるかも知れません。実は、個人住民税、個人事業税及び法人住民税ついては加算金がかからないのです。ですから、例えば法人が税務調査等によって追加で納付する税額が発生する場合には、法人税や法人事業税については加算税がかかりますが、法人住民税(法人県民税・法人市民税)については加算金がかからないのです。
不思議な気もしますが、納税者からすれば少し得ですね。